ブンマトゥー初日
夕方5時にNIHEを出発してノイバイ空港から飛行機でブンマトゥーにやって来ました。いつもごちゃごちゃした、混乱の極みのようなハノイの市街地にいるせいか、空港からホテルまでの間に車の窓から見た町の景色は道も歩道も広くて、そのうえ車も少なくて、全体がゆったりとしている感じがしました。いい環境だったらジョギングしようと思って、その用意をしてきたので、明日は少し走ってみようかな。
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夕方5時にNIHEを出発してノイバイ空港から飛行機でブンマトゥーにやって来ました。いつもごちゃごちゃした、混乱の極みのようなハノイの市街地にいるせいか、空港からホテルまでの間に車の窓から見た町の景色は道も歩道も広くて、そのうえ車も少なくて、全体がゆったりとしている感じがしました。いい環境だったらジョギングしようと思って、その用意をしてきたので、明日は少し走ってみようかな。
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私はベトナム国立健康疫学研究所(略してNIHE)-長崎大学(NU)フレンドシップラボラトリー(フレラボ)に所属しています。フレラボにはYI先生と共用の机もありますが、本来の机はNIHEの医学系昆虫学研究室(エントラボ)にあります。これは、長崎大学の私のボスであるT教授の方針で、エントの人たちと一緒に活動をするのだから常日頃から同じ釜の飯を食えという、獅子の子を谷底に突き落とす、まるで「巨人の星」のような勤務形態が前任者の時から続いています。実際にはエントラボは朝9時過ぎにならないと誰も来ず、5時になったら早く帰ってくれという調子です。そのペースに合わせているとちっとも仕事が進まないので、私は朝と夕方5時以降はフレラボで仕事をしています。
確かに普段から似たような研究をしているベトナム人スタッフと一緒にいるのは公私に及んでいい面もありますが、悪い面もあります。たとえば、私はベトナム人しか知らないような場所や物事を彼らに教えてもらっていますし、隣の席のD君はひょうきんなので、しょっちゅうおバカな話をしています。悪い面としては、調査に行く時はいつもスタッフのだれかが付いてくるような暗黙のルールがあります。フレラボの他の人にはそのような制約はありません。これはベトナム語を話せない自分には便利ですが、交渉や共同研究をする相手が英語を話せれば別に必要ありません。
ベトナムにはNIHEのほかにも、パスツール研究所という有名な医学系の研究施設があります。パスツール研はベトナム国内に4か所ありますが、一番大きなのはホーチミン市にあります。それぞれの研究所が所在する地域周辺をカバーするといいますか、ベトナムは日本以上に縦割りなので、別の言い方をすると縄張りにしています。NIHEは国立の機関なので全国区で仕事をするわけですが、一応その地域の研究施設には筋を通す必要があるらしいです。
私は8月からホーチミンのパスツール研の人たちと一緒に仕事をするのですが、やはりエントラボのスタッフを連れて行くことになりました。けれど、最近、NIHEとパスツール研の昆虫研同士の関係があまりよろしくないようで、パスツール側からかなり不快感を示されて困っています。人手が足りないのならパスツールから出すとか、なぜチュノダだけ一人で来れないんだ、とか言われるのですが、しょーがねえだろ、としか正直なところ自分には言いようがないです。
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ベトナム語講座はとりあえず先週で終わったわけですが、今日は先生がわざわざ卒業証を届けに来てくれました。評価も書いてあって、AからDの4段階評価でBでした。ちょっと甘いんでないかい、と内心思いましたが、とりあえずめでたしです。
今度の日曜日にあるベトナム語学校主催の旅行に誘われましたが、コウモリ調査に行くのでお断りしました。あとは次のレベルのレッスンについて簡単に説明を受けましたが、8月、9月は野外調査が多く、とても継続してベトナム語講座を受けられそうにないので、しばらく休むことにしました。その間テキストで基本的な単語と文法をおさらいしておきます。
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今日は、いつもの倍の時間をかけて通勤しました。両腿の裏側が筋肉痛で、まともに歩けませんでした。ハノイには温泉も公衆浴場もないので、こういうとき風呂のある部屋にすればよかったかなと思います。徐々に体が慣れてくるのでしょうが、八年間のブランクは相当きついです。
八月にはホーチミン市まで二回往復しなければなりません。一度は打ち合わせと講演、もう一回はデング熱媒介蚊の調査です。調査は10日間ほどかかります。それからハノイ近郊で蚊に目印をつけて放し、再び回収する試験を近々行うため、その下見と器材の準備もしなければなりません。今週の木曜日から日曜日まではHBさんについて中部山岳地帯に行って、コウモリの捕獲と外部寄生虫の回収を行います。だんだんフィールドに出る機会が増えてきます。
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朝5時半に起きて朝飯を食べたらすぐにタクシーに乗って集合場所のデーウーホテルに向かいました。グラウンドはさらに車で20分ほどのところだったのですが、今日はデーウーホテルの従業員さんチームとの試合がありました。後半30分出ますか、との監督からの問いかけに、やれるところまでやりますと答えはしたものの、まだ左足に違和感があるし、内心はびくびくでした。
いざ試合を始めようとすると、相手チームが三人足りませんでした。うちのチームの補欠は四人。とりあえず私も助っ人で出ました。10分ほどやった頃にデーウーチームに点が入ってしまい、ちょうど遅れてきた人たちが着替え終わったので、ここで交代しました。どうにか味方も1点を入れたところで前半が終了。
後半はなんとか6分のペースで、最高でも7分のペースで走りました。8分を超えてダッシュをするとまた足をつりそうでした^^;)。また味方に一点が入ったところで、右からゴール前にセンタリングが上がり、ボールは味方のFWをすり抜け、相手のDFもすり抜け、私のところに来ました。落ち着いて腹でトラップして、右足で振りぬきました。よく思い出せませんが、たぶん8年ぶりのゴールでした。気持ちよかったっす。それから、後半30分何とか走れたこと、さらに30分ハーフの試合をした中で残り10分で出してもらったのですが、また走れたことが何よりでした。前回は5分くらいで足がつりましたから、大きな進歩です。徐々に馴らしていって、次はもう少し早く、長く走れるようにしましょう。
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昨日、ようやくカメムシの飛翔速度のゲラの校正を終えて、応動昆英文誌の編集部に返送しました。先週はマダニの集合性の論文のゲラの校正を済ませました。どうにかこれで去年から持ち越された仕事にけりがついたわけですが、今投稿中の論文がありません。昨年度長崎大学でやっていた蚊の産卵行動をまとめているのですが、全体の構成がまだ固まっていません。マダニの論文もまだいくつか埃をかぶっています。論文は生もの、早く料理しないといたみます。
ハノイはここのところ毎日雨が降ります。エントラボのDPさんによると、5月から7月が夏で、8月から10月は秋なので、そろそろ季節が変わるとか。嘘だよ、この調子で暑いんだったら8月も夏じゃないか、と言ったものの、彼女の話だと、これから雨や嵐が多くなり(今よりも多くなるんかい!)、冬はとても寒いとか。(うーん、でも所詮-18度とか、そこまでいかなくても水道が凍結するとかってことはないんだから、たかがしれてるだろうな。)
いずれにせよ、これからいやでも体感します。
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今日は二十回目のベトナム語の授業、すなわち最後の授業でした。簡単な復習をしたのち、試験をしました。声調の試験の後で、文法の試験でした。声調の方は最初はわりとすんなりできていたのですが、途中からとたんにできなくなりました。正解は半分くらいでしょうか。文法は、どうにもボキャブラリが不足していて、「黄色」なんて単語すらもわかりませんでした。全体では半分もできませんでした。文法はだいたいわかったつもりでしたが、細かいミスをなくすにはもう一度やり直すしかありません。ただし、これからフィールドに行くことがかなりあるので、蚊のシーズンが終わりになる10月か11月位から再開する予定です。
採点が終わったら、土砂降りの雨でした。先生が帰ると言うので、大丈夫ですかと聞くと、この季節はいつも6時過ぎから雨で、こんなのはいつものことで慣れている、と言って出て行きました。すごい。
私は、今日は飲みのお誘いがあったのですが、正直この土砂降りの中を出掛けるのはかなり億劫でした。HTさんに電話をするとかなり明るい声で、待ってるよー、というお答だったので豪雨の中をタクシーを呼んで出かけました。実は、試験直前に携帯が鳴って、どうせY教授からの飲みの誘いだと思って、しかも日本から直前に電話が来ていたので無視していたのですが、しっかり携帯メールにお店の名前が書かれていました。
それでタクシーですが、何箇所か雨で通れなくなった道を迂回して、最後にHTさんからお店の人に電話を代わってもらって、近くまで行きました。というのも、お店の前の道も川になっていて小型車ではとても行けそうになかったので、100mほど手前で降りて、歩道を走るバイクをよけながら歩いていきました。
なんやかんやで二時間ほど三人で日本料理を食べながらビールを飲んでいると、帰る頃にはすっかり水はひいて元通りの道になっていました。日本だったら翌朝まで雨が降り続いたりして、いろいろ被害が出るでしょうに、ベトナムの雨で道の水が増す速さと引く速さには驚かされます。
だけど、普段あれだけ汚している道で、おまけに下水管と側溝が共用だから、やっぱキタネエはずだよなあ。
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お昼にフレラボスタッフ全員でYIさんお勧めのドジョウ料理を食べに行きました。今度YIさんの後任としてくるYNさん一家と、秘書Tさんの彼氏も一緒で総勢13名でした。YNさんとは去年知り合っていました。彼は去年の熱帯医学研修を受けていて、私はよく聞きに行っていたので、彼のことは知っていましたし、彼も私のことを覚えていました。奥様と4歳のかわいいお嬢さんと一緒にこれから二年間ハノイで暮らすわけで何かと大変でしょうが、頑張りましょう。
で、肝心のドジョウの方ですが、ちょっと油っこくてまあ話のネタにはなりますが、私は柳川なべの方がいいです。お店の二階の天井が子供の背丈位しかない部屋で、お風呂場の椅子に座って食べました。
夕飯もYさんお勧めのキノコ料理屋で食べました。前回同様、ここはうまかったっす。今日は全部Yさんに支払っていただきました。自分の送別会はいらない、その代り皆に自分の感謝の気持ちを伝えたい、と云うのでYさんはやってくれたわけですが、私は短い付き合いでしたけど、水臭いと思いました。友人は頼りにし、頼りにされるもの。一方通行ではないと思います。
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フレラボには日本からいろいろな方が来ます。長崎大学以外の大学、研究所の関係者、時には長崎県の県議さんも来られます。日本的な慣習で、皆さんお土産を持ってこられます。ベトナム人の女子学生Toちゃん、Coちゃん、秘書のTさんはまだ若いし、日本の女性と同じでお菓子とかに目がないので、こうしたお土産を正直な話楽しみにしています。
今回、立て続けに日本からの訪問客があってお土産をたくさんいただきました。Tさんはもうすぐにも開けたがっていて、これはおいしいの、とか聞いてきました。うーん、ちょっとまて、と、私は(心の中で言ってから)、日本ではお客様が帰る前にお土産を開けるのは失礼だから、やめたてほしいと言うと、ベトナム人女性、最近博士号を取るために入ってきたLさんも交じって、それは文化の違いだ、と反論されました。お客様のいる前で喜んで開けるのがベトナムの礼儀ですと。確かに日本でもそうではあるけど、それは親しくなった友達の場合だ、と言ったのですが、とりあえず、日本の礼儀とベトナムの礼儀とは違うと少しはわかってもらえたのかなあ。
私は友達の家(たいがい夫婦です)にお呼ばれされたときは自分(達)がうまいと思うケーキ屋さんのケーキを買っていきました。そしてたいがい食事をとった後で一緒に食べました。気がおかない付き合いだからそうするんですよね。だから、ベトナム人の人間関係はシンプルなのかと思いました。単純な発想ですが。
自分は喜怒哀楽が顔にすぐ出るのですが、ベトナム人の友達から御馳走を出されると素直に喜びます。そんなときは大好物の骨をもらう前の犬みたいな顔をしているのかもしれません(それほど可愛くねえか)。でも、いつもベトナムの人はそんな私を見て喜んでくれているのがわかります。あー、よかったー、チュノダが喜んでるって。
たぶん、そのおかげでベトナムの人と仲良くなっているのかもしれません。
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エントのラボでは、中部高地から研究員が一人、ハノイ市内の保健大学から学生が一人研修に来ています。二人とも二十代の男性で、話した感じではいい奴そうです。今日はエントの相棒のD君とお昼を食べた後で四人でカフェに行って少し話をしました。
話がいつの間にか離婚のことになり、ベトナムの事情について聞いてみると離婚率は非常に低いそうです。6%くらいとか。日本では、(1)暴力、(2)夫が収入を家に入れない、(3)浮気、のどれか一つの条件を満たせば離婚が成立しますが、ベトナムでは、夫の暴力にも妻は耐え、夫が働かないで酒を飲んだくれていても、妻は働きに出ていくそうです。代わりに夫婦喧嘩はかなりすごいらしいですが、なんかそこまで耐えなくてもさっさと次の幸せを見つければいいのにと思います。けれども、家族をはじめとして周りの縛りが強くて簡単にいかないようです。
自分の場合は、カミさんが実家に帰ってからじたばたもがきましたが、別れてもいいと思った最大の理由は、相手が完全に自分への愛情がなくなって、もう元には戻らないと感じたからです。
人には、さあ、次は頑張ろうぜ、って気楽に言えますけど、自分のことになると腰が重くなります。
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