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2008年2月 7日 (木)

自信をつけるセミナー

 毎週木曜日の午後には研究室のセミナーがあります。教授以外の人全員が研究の進捗状況を報告したり、論文を紹介することになっています。彼は現在ドクターコースの学生ですが、その前に3年間スマトラでマラリア媒介蚊の調査を行っていました。今は毎日データの整理と解析を行っています。

 私は今回はじめて彼のスマトラでのデータを見たのですが、すごい、の一言につきました。3年間ずっと、週3日、調査地点をまわって牛と人の血を吸いに来る蚊を捕獲し、川や池でボウフラを掬ったそうです。同時にマラリア原虫の保有率や共同研究者と村人のマラリア感染率を追いかけているので莫大な情報量になります。これだけのデータを取った彼の根性には敬服します。

 これだけのデータをどう生かしてストーリーを作っていくかによって彼の論文の評価が決まってきます。今回の発表までも大変だったでしょうが、これから論文を書き上げるまでがさらにきつい上り坂です。

 彼は他人のゼミではあまり発言しません。ゼミではデータの解析法や論理などがよく議論されますから、そういう点に関して彼は自信がないから、と感じていました。研究室の誰よりもフィールドでデータを取った時間が長いのに自信のもてない彼を歯がゆくも感じていました。けれども今日の彼は堂々としていました。

  4月から私はベトナムで本格的な野外調査に取り掛かる予定です。今日の彼の発表は今思い描いている自分のこれからの研究にとても刺激になりました。

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