調査の付添
私はベトナム国立健康疫学研究所(略してNIHE)-長崎大学(NU)フレンドシップラボラトリー(フレラボ)に所属しています。フレラボにはYI先生と共用の机もありますが、本来の机はNIHEの医学系昆虫学研究室(エントラボ)にあります。これは、長崎大学の私のボスであるT教授の方針で、エントの人たちと一緒に活動をするのだから常日頃から同じ釜の飯を食えという、獅子の子を谷底に突き落とす、まるで「巨人の星」のような勤務形態が前任者の時から続いています。実際にはエントラボは朝9時過ぎにならないと誰も来ず、5時になったら早く帰ってくれという調子です。そのペースに合わせているとちっとも仕事が進まないので、私は朝と夕方5時以降はフレラボで仕事をしています。
確かに普段から似たような研究をしているベトナム人スタッフと一緒にいるのは公私に及んでいい面もありますが、悪い面もあります。たとえば、私はベトナム人しか知らないような場所や物事を彼らに教えてもらっていますし、隣の席のD君はひょうきんなので、しょっちゅうおバカな話をしています。悪い面としては、調査に行く時はいつもスタッフのだれかが付いてくるような暗黙のルールがあります。フレラボの他の人にはそのような制約はありません。これはベトナム語を話せない自分には便利ですが、交渉や共同研究をする相手が英語を話せれば別に必要ありません。
ベトナムにはNIHEのほかにも、パスツール研究所という有名な医学系の研究施設があります。パスツール研はベトナム国内に4か所ありますが、一番大きなのはホーチミン市にあります。それぞれの研究所が所在する地域周辺をカバーするといいますか、ベトナムは日本以上に縦割りなので、別の言い方をすると縄張りにしています。NIHEは国立の機関なので全国区で仕事をするわけですが、一応その地域の研究施設には筋を通す必要があるらしいです。
私は8月からホーチミンのパスツール研の人たちと一緒に仕事をするのですが、やはりエントラボのスタッフを連れて行くことになりました。けれど、最近、NIHEとパスツール研の昆虫研同士の関係があまりよろしくないようで、パスツール側からかなり不快感を示されて困っています。人手が足りないのならパスツールから出すとか、なぜチュノダだけ一人で来れないんだ、とか言われるのですが、しょーがねえだろ、としか正直なところ自分には言いようがないです。
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