バチャンでの下見
昨日は、ハノイから約10km離れたバチャンという町に蚊の幼虫を採集に行ってきました。エントのスタッフ3名と保健省関係の方1名、地域の役人1名、地元の保健婦1名、それにドライバー1名というたかだかボウフラを取るのに総勢8名の大掛かりなスタッフとなりました。バチャンで取った幼虫を実験室に持ち帰って育ててから、成虫に色素をつけて放して、蚊の飛翔距離や生存率を求めるのが今回の調査の目的です。
バチャンは中国人の作る陶器で有名です。最初に訪れた場所は工房みたいなところで、外に積まれた陶器に雨水がたまって、3軒回っただけで目的の量のボウフラがとれました。今回は発生源を減らすことで蚊の飛翔距離がどれだけ長くなるかを調べたいのですが、これだけ発生源が多いと大変です。それとバチャンの町は予想よりも狭いです。衛星写真で見ると紅河の流域500メートル以内に家が密集しています。これだと試験区を2か所設置するだけでいっぱいいっぱいです。
当初は砂糖水を何箇所も町中に置いて、蚊が糖分の補給ができる試験区とそうでない区での比較も考えていました。しかし、どの家にも果物の木や花がいくつもあって、これも難しそうです。
下見も兼ねて今回はバチャンを訪れて、実際に現場を見て調査地に頭を悩ましましたが、それよりもエントのスタッフをはじめ現地の人たちを動かすのが難しかったです。英語が通じるのが、エントのVさんと保健省から来た女性だけですが、どちらも片言です。エント室長のYさんにもっとわかりやすく目的と方法を説明しておいて、彼女からVさんに指示を与えてもらった方がよかったです。ボウフラサンプリングくらいしか伝わっていなかったようなので。でも、一番厄介だったのは強情そうな地元の保健所の方でした。もう少しいろいろな場所を見たいという私の要求を、他はどこも同じ、との一言で突っぱねてしまいました。
地元のおバチャン
次回からはなんとかせねば。
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