今日、土曜日の出来事の追加です。そもそも、今となっては、遠い、とおい、私が高校の時のお話です。
私が通っていた渋川高校の、下校時の通り道に宮川書店という本屋さんがありました。ま、男のサガで、その本屋の近くに渋女通りという女子校生が登下校にしていた通りの近くにありました(な、なんつー、ローカルかつわかりやすい)。
当時の自分はすごく中途半端でした(今でもそうかも)。渡井の通った高校は伯父がずっとそこの数学の先生だったこともあって、そのくせ成績はパッとしない、部活もしていない、でも、大人を斜めに見ているいやーな高校生でした。そうなった元をたどれば、おやじの会社の倒産であったことは否定しません。ぐれたり、つっぱることもせず、大人を斜めに見ていた嫌ーナ、思春期の男でした。
で、宮川書店に話を戻すのですが、おねーちゃんと知り合うチャンスがあったのもあるのですが、そのほかにエッチ系の週刊誌や写真誌が当時としては充実していました。早い話がそれで足げく通っていました。
本当に当時の自分は将来のことについて悶々としていました。おねーちゃんのことは置いといて、とりあえず、文科系に行くのか、理科系に行くかで悩んでいました。子供のころから怪獣、恐竜、動物、昆虫、と好きなものを追いかけていて、あの当時のテレビ番組の、「驚異の世界」、「野生の王国」、「素晴らしい世界旅行」という、ドキュメンタリー番組が小学生の頃に大好きなお子茶までした。いつか自分も世界中の、未開の地域に行って動物の研究をしたいと思っていました。
それが、中学二年の時のおやじの会社の倒産で、人生観が変わるくらいにショックを受けました。所詮、世の中金だ、とガキのくせに開き直っていたのですが、さすがに高二くらいになると、そろそろ進学か就職かとなって、人生の岐路で迷っていました。
いつもの行きつけの宮川書店でエッチな雑誌の新刊号が来ていないかと探していたときに、たまたま自然とかの写真主体の雑誌が目にとまりました。手にとって開いてみると、密猟でアフリカの野生動物が危機にひんしているという記事や、逆に国立公園ではアフリカゾウが増えすぎて間引きしているとかいう記事もあって、なかなか中身の濃い内容でした。その雑誌に日本人の獣医師がサバンナでマサイ族とともに家畜の病気を治療したりしているというのを見ました。
自分としては、お金も大事だけれど、それでも人生は一度きりなのだから、やりたいことをやってみた方がいい、と思って、結局、動物関係の大学に行って、いきものを研究する仕事をしたいという結論になりました。
それで何を言いたかったかというとその獣医の方が、今長崎大学で博士号を取ろうとしています。テーマは家畜や人間に眠り病という病気を媒介するハエの生態を研究することだそうです。本人かどうかの確信は持てませんが、たぶん、つーかあまりそういう方はいないので、私の中ではOKとしています。 長崎大のゲストハウスから空港までずっとその人とマダニの話とか、これまでの人生とか、語ったのは、すごく不思議な感じです。十代の子供がサッカーの本田とか、沢選手とかに会ったような感じなのでしょうか。
自分の人生を決めてしまった本や、新聞も含めた読み物に関連した人と出会えたのは良かったです。
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