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2012年9月 9日 (日)

朝のニュース番組で感じたこと

 今朝見たNHKプレミアムのニュース深読みという番組では、シャープがどうしてこんな状況になってしまったんだろう、ということが取り上げられていました。今はテレビの液晶のシャープですが、私が最初に知ったシャープはシャープペンシルのシャープです。ウィキで調べると最初はベルトのバックルから始めたみたいですね。個人的な解釈ですが、文房具関連から電卓に手を広げ、電卓開発の技術で液晶テレビの開発に踏み込んだわけです。確かにどちらも見ためは薄っぺらいです。でも、あれだけの性能を持った電卓をあの薄さにして、(何年かかったのか知りませんが)さらに百円にまで価格を下げたのですから、テレビもよそに負けないで究極の低価格を遂げてほしかったと思います。

 シャープの対比として取り上げられていたのが、韓国のサムソン電子です。アジア通貨危機の時に韓国はIMFの援助を受けるようになり、いくつかの財閥系企業も倒産する状況になったそうです。そのような状況で、韓国は国家をあげて海外に粗悪でも安い製品を売り込む政策をとったようです。まだ日本が着手ていなかったベトナムをはじめとした途上国に人を送って安い自社製品を売り込んでいったようです。その後(といっても5年くらいで)、体力がついたところで、今度はより良い製品を開発する方にお金をかけるようになりました。日本企業からも技術者を引き抜いたりしたようです。

 一方、シャープは、目の付けどころがシャープでしょ、とキャッチコピーどおり、独創性を企業の売り物にしたまではよかったのですが、その技術を門外不出のものにしようとしました。企業トップの戦略として海外よりも日本国内でどれだけ製品が受けるか、という方に重きがあったのかもしれません。

 でも、企業としてお金を稼ぐのに、一国内でエコ需要で利ざやを稼ぐのと、英語すら通じない辺鄙な国でも単価は安くてもどんどん需要がありそうな場所へ乗り込んでいって、うまくいったら今度はテレビの字幕にコーランの字幕を載せるような対策をとるのと、どっちが最後に勝つかと聞かれたら、そりゃ後者に決まってまんがな(なぜか大阪弁)。

 韓国の企業は、日本の技術者を引き抜いたりしたので悪いイメージを抱いてしまいそうですが、でも日本の企業のトップがその人たちにこの会社でもっと仕事をしたいと、思うようにしなかった責任はあると思います。逆に、彼らは韓国では自分が生かせると思ったわけですから。

 番組では解説者としてソニーの開発部門にいた方がコメントをしていました。井深さんや盛田さんがエンジニアである自分たちのやりたいようにやらせてくれたことが企業としてよかったし、第一にトップの二人が部下が売れないと思った、個人が聞くためだけの究極のカセットプレーヤーをウォークマンとして販売したことが会社としての成長を物語っていたように感じました。

 サムソンはアップルとも今世界中でiPhoneを巡って訴訟をしていて世間的にはあまりいいイメージはないですが、でもそのおかげでアップルの経営戦略とかも暴露されることになったので、(個人的な感想ですが)時代にマッチした悪役です。もう技術を独占して、一人勝ちできる時代ではなくなりました。若いうちに成功して老後は安泰、なんて状況は研究者はもちろん、企業経営者もこれからはないのかもしれません。

 番組として一番言いたかったことは、今こそ、日本の企業のトップの人達に、敢えて大胆に新しいモノづくりにチャレンジし、そして海外に目を向けていくべきだ、ととらえました。

 日本には今巷にニートの若者があふれているようですが、企業がどんどん若者を雇用して尻を叩いて海外へ出していったらいいと思います。こちらに来てからの私のオチになりましたが。

 だから私が何を言いたいのかというと、日本人が海外でも暮らしやすいように、ラジオだけでなくて、日本のテレビもネットで海外でも普通に見られるように日本の政府が後押しして下さい!

 ちっちぇーな。 

 

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