絨毯のダニと食品のダニ

　来週の月曜日はベトナムの独立記念日なので、今日のお昼はエントスタッフ全員で近くのビュッフェで食事をしました。今朝、少しすっぱくなった牛乳を飲んでしまって、何ともなかったのですが、それでも午後どうなるのかわからなかったので生ものは控えました。

　日本ではマダニが問題になりましたが、最近はダニが混じっていたお好み焼きを食べてアナフィラキシーショックをおこした人が出たのが問題になっているようです。食品会社に努めている友人からダニについて教えてくれと、問い合わせがありました。

　一月ほど前に同僚からその話を聞いた時が初めてだったのですが、本来、喘息やアトピーの原因となるダニと味噌や小麦粉のような貯蔵食品にわくダニとは種類が違うので、最初はほんまかいな、という感じでした。

　写真はネギの根元に発生したダニです。千葉大の時にネギの害虫になるダニの研究をしていた知り合いからこの写真をもらいました。

　食品に発生するダニはもともとは土壌中にいて、それが人間の生活環境に入り込んできました。

　一方、絨毯や布団にいてアレルゲンの原因になるダニは、もともと鳥や動物の巣穴にいたと考えられています。なので、アレルゲンの原因になるダニの方が、食品に発生するダニに比べて比較的乾燥したところでも生活できます。

　お好み焼き粉からは両方出ているようなのですが、アナフィラキシーショックの原因になっているのはどちらなのか突きつめてほしいです。

めんどくせー仕事

　２か月前に作ったコガタアカイエカの翅標本の出来が悪かったので、先週ハノイで作り直してバンコクのマヒドン大学へ持ってきました。今日の分はとりあえず撮影が終わりました。明日か明後日にデジタル化して、フランスにいるJPさんにデータを送って解析してもらいます。

　ついでにマヒドン大にまだ送っていなかったヤブカの標本も合わせて持ってきて、明日はその標本の撮影をするつもりでいたら、共同研究者のRさんが、まだ標本が４ケース残っているので、撮影してくれ、と言われて、目が点になりました。

　まだ、やり終えていなかったのか。これじゃあ、デジタル化なんていつになるかわからんな。

　自分が１０月にもう一回マヒドンに来て、１週間くらい集中して標本の写真撮影をやり遂げようと提案したところ、９月に学生を雇えるかもしれないから、もうちょっと待ってから決めてくれ、という返答でした。

　いろいろな裏データも必要な気がしています。

　この間、NHKのプロフェッショナルで宮崎駿を取り上げていましたが、仕事中の彼の口癖が、「めんどくせー。」

　だけど、めんどくせーことをちゃんとやっとかないといいものは作れない。

　めんどくせー。　

PCO研修第二週目

　久々にタッチラグビーに出て、その後飲み会にも参加しました。ラグビーの仲間と夕飯を食べた後で、今度はサッカーの仲間から遊びに誘われて家に戻ったのが午前１時でした。

　月曜も職場の人から飲みに誘われたのですが、お断りしました。今日話を聞くと結局２時まで飲んでいたそうで、やめといてよかったと感じた次第です。　

　今日は日本からKさんが来て、ベトナム人向けに殺虫剤の講義をしていきました。私はアテンドだけして、彼の講義中はもっぱらオフィスで来週ある自分のダニ学のスライドを作っていました。お昼はチャーカーだったので、夕飯は「寛」で日本食にしました。

　そういえば、昨日の朝、受講生たちがNIHEに来ていました。来週の月曜日はベトナムは休日なのに、講義が入っていたので、それをずらしたのか、と思っていたら、Kさんの講義があると思っていたそうです。だいぶ前に、私の講義を半日にするのと、Kさんの講義を月曜から火曜にずらすように文書と口頭で伝えたはずなのですが、ちゃんと伝わっていなかったようです。私の講義だけは半日になっていましたが。それでも、今日も受講生は揃っていたようでした。

　ちなみに、来週の休日に予定されていた講義はずらしました。というか、私が指摘したから検討したので、そうでなかったら彼らで週末あたりに勝手に決めてしまっていたでしょうね。それにしても、ベトナム人なのにどうして気付かなかったんだろう。

PCO講座に向けたダニのスライド作り

　8月に片づけておきたい蚊の原稿が2本、ダニの原稿も2本、書評が1つ。

　書くべき論文が山積みなのですが、それとは別にベトナム人向けPCO講座のダニのスライドの準備をしなくてはいけません。この前のMさんの講義で通訳をしていて感じたのですが、あまり学問的なことよりも、ダニとはどんな生き物で、どんな場所に住んでいるかといった話の方が今回はいい気がします。ようするにできるだけかみくだいて、わかりやすいスライドを準備するということです。

　それはそうと、昨日、ベトナム拠点の同僚と話をしていて気づいたことなのですが、9月2日は独立記念日で祝日です。しかし、PCO研修コースのベトナム人講師による講義がまる一日入っています。本当に大丈夫なんでしょうか。翌日の午後は私のダニの講義です。

　日本は暑い中時々集中豪雨があるようですが、今年のハノイは毎日一回雨が降っています。腰の調子が悪いのもあって、7月から合気道を、8月からタッチラグビーを休んでいます。なんかじめじめした気分の2013年の夏です。

ベトナムでのPCO研修コース

　元ボスがベトナムでPCOの研修コースを始めたので、日本からPCO業界で有名な方が講師として来ました。が、元ボスがベトナム人相手なのに、研修は日本語でいいですよ、とお願いしたものだから、紆余曲折あって、講師の先生が日本語で説明した後、私か元ボスが英語に直して説明することになりました。

　午前中の3時間は私が通訳したのですが、翻訳業者に作ってもらった英訳スライドの文章にはやたら難しい単語が使われていたので、結構疲れました。質問も、今そういう現場にいるのだが、駆除できないから何とかしてくれ、といった感じで、熱が入っていました。

　お昼の会食に行く車に乗り損ねたこともあって、近くの食堂でさっさと昼食を済ませて、午後はずっと蚊の実験と観察を行いました。途中で停電になったりしましたが、夕食会にはぎりぎり間に合いました。これで研修コースはひと段落です。

　あ、再来週はダニの研修だったっけ。

蚊の世話と研修コースでいっぱい、いっぱい

　先週の金曜日にベトナムに戻りました。

　土日は、卵から孵った蚊の幼虫の世話と、成虫の同定で昼間がつぶれてしまいました。当然、ラグビーも合気道にも行きませんでした。少し腰が痛かったし、例によって腹をこわしていたので、ちょうどよかったかもしれません。

　今日から、ベトナム人向けの害虫駆除の研修が始まりました。明日、私は日本から来た講師の通訳（ベトナム語でなく英語）をする予定になっています。

　ちょっと精神的に負担になった業務です。

普通の夏休み

　月曜から群馬に帰っていました。いや～、日本は暑いですね。連日38度でした。赤城の家のまわりは夜になるとかなり涼しくなるのですが、今回は暑くて寝苦しい夜もありました。

　写真は実家の前の水田です。ちなみにうちの田んぼではありません。いずれにせよ青々とした稲というのは私にとって日本の夏の光景です。

　それから、入道雲。

　家ではかき氷を食べました。あとは、母親がうどんをうったので、夕飯はいつもうどんを食べていました。

　ごく普通の田舎の夏休み。あと何回できるのだろう。

なかなかいないマダニ

　

ハノイ近郊の山に毎月マダニを採集しに行っています。

　今日はBa Viという山に行きました。あいにく先週土曜日の台風でいつも使っている道が通れなくなっていたので、別の道を選んだのですが、かなり山の上まで行けるルートでした。

　辿りついた場所はお寺で、工事を行っていました。よし、この辺で旗振りをしようかと、長靴にはき替えて、マダニを採集する布を取りつけていると、緑色の服を着た人がやってきて、今日のアシスタントのS君に何やら話しかけました。

　どうも雲行きが怪しいな、と感じていると、このあたりで採集をしてはいけない、とのこと。

　えっ。今まで何にも言われていないのに、なんで今日に限ってそんなこと言うんだろう。

　ごらんのとおり、あたりはプラトーンや地獄の黙示録を思い出させるような熱帯雨林です。

　泣く泣く、来た道を引き返して、少し山を下りた場所で旗を引きずりました。

　しかし、昨日と合わせても今月はマダニの収穫はゼロでした。あれっ、若虫か、と思わせる個体をS君が取ったのですが、触角がダニの第一脚のように長くてよく動く昆虫でした。普通なら今の時期には嫌というほど幼虫が取れるはずなのですが。

　昼食はドライバーさんのお勧めのベトナム料理屋で、今日はヤギ肉料理でした。ヤギの血を固めた料理が出たのですが、柑橘を絞って食べたら、まあまあでした。マダニになったつもりで食べました。