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2013年11月16日 (土)

遅々としている実験の準備

 デング熱媒介蚊の殺虫剤抵抗性の試験をエントラボで行う準備をしています。ハノイのデング熱媒介蚊の実態を明らかにするために、ここのところ感染実験と殺虫剤試験の準備をしているのですが、かなり手間取っています。

 まず実験をする場所がかなり手狭です。小さなドラフト内で薬品を扱うようにいわれているのですが、メスピペットを使うのにとても狭いです。
 いまどきなぜ、マイクロピペットを使わないかというと、試薬をアセトンに溶かすので、プラスチックのチップを使うとチップが溶けてしまうのです。アセトンなので吸い込みが悪く、電動型のピペットポンプではまったくだめで、ゴム製のピペッターが意外と役立っています。
 昨日、実験の準備を始めたのですが、部屋を使用するにあたって元室長のYさんからかなりしつこく、うるさく言われたので、殺虫剤研究室でやらせてくれないか、と申し出てみました。彼女の答えは、Noで、なぜかというと、もう、殺虫剤実験室はオフィス1部屋しかなくて、実験は行えないそうです。
 若手が二人もいて、普段何をしているんだろう、と余計な心配をしてしまったのですが、とりあえず今の環境でなんとか実験系を立ち上げて、蚊の準備から感染実験と殺虫剤の実験が回っていくようにしなければなりません。
 実は千葉衛研にいたときに、イエバエで殺虫剤試験をやったことがあります。あの時はある程度環境が整っていたので、それにのっかっていけばよかったのですが、ここでは一から始めなければいけないので、結構大変です。
 一応、エントでは感染実験をオーストラリアと共同で行った経験がありますし、殺虫剤試験は長崎大のKさんが考案した実験系を実施しています。しかし、感染実験については、感染後に集団飼育するよりも個別飼育した方が断然生存率が良いことを確かめていますし、殺虫剤試験についてはKさん本人にいろいろと相談にのってもらった結果、彼の実験系は私の研究目的には合わないことがわかっています。
 私のやり方は遠回りなように見えますが、これまでの経験上乗り越えておかなければならないと感じています。

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