« 2014年1月 | トップページ | 2014年3月 »

2014年2月

2014年2月27日 (木)

ピペット洗浄器

Imgp1192_2 殺虫剤の試験をするのに困ったことがありました。国際標準になっているWHOのテストキットでは蚊が死にません。殺虫剤に対する抵抗性がとても高いのです。

 それもあって、薬剤の濃度がどの程度あったら死ぬのかというのを確かめる必要がありました。殺虫試験に詳しい、長崎大のKさんにも話を聞いてもらったのですが、結局、最も古典的な局所施用法でLD50(50%致死濃度)を求めるしかないと思うようになりました。
 ところが実際に実験を始めたら、ピペットマンが使えません。殺虫剤はアセトンで希釈するのですが、使い捨てのチップはプラスチックでできているのでアセトンに溶けてしまうのです。しょうがないのでガラス製のピペットを使うことにしました。
 しかし、また問題が生じました。日本では使い終わったピペットは洗浄器に入れて洗うのですが、ベトナムにはないのです。梅澤忠夫の本に、ベトナム人はありあわせの材料で車のパンクの修理とかなんでもやってしまう、本当に器用だ、と書いてあったのを思い出して、エントのスタッフの中でも器用なC君に洗浄器の写真を見せてこれと同じものを作ってくれないかと、聞いてみたら、時間はかかりましたが、実際に作ってくれました。
 すごいよね。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

蚊の仕事のアシスタント

 6年近くベトナムで働いてきたのですが、ようやく私にもアシスタントが付くようになりました。実験に使う蚊の世話が忙しい時には本当に大変で、そういう時に限って普段手伝ってくれるはずのMは他のことを優先してしまうので、長崎のボスに相談したところ、じゃあ新しく人を雇え、といってくれたので、エントの人たちにも相談したところ同意を得たので今週から働いてもらっています。

 彼女は去年オーストラリアのプロジェクトで蚊の飼育を10カ月ほどしていたので、私が新しく教えることは特にありません。大学は法学部卒業なので、生物学のバックグランドはないのですが、頭の回転が早いので、英語は多少できなくても意思の疎通はできます。去年も忙しかった時に自分の仕事を手伝ってもらったのですが、一生懸命働くのがいいです。そして気が利きます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月25日 (火)

同僚の送別会

 ほぼ私と同じ頃にベトナムに赴任した同僚がめでたく他の大学に就職が決まり、帰国することになりました。それできょうの昼は送別会でした。幹事は私。

 12時から開始だというのに出発が遅れ、さらに飲み物を先に持ってくればいいのに全部注文を聞き終わってから飲み物を持ってきたので会が始まるのが余計に遅くなりました。食べ物が出てくるまで結構イライラしました。
 もうこれで終わりかと思いきや、最後に鍋が出てきて腰が砕けました。残った鶏肉などはスタッフの子たちに持ち帰ってもらいました。味はまずまずだったのですが、ベトナム人スタッフの分も出したので予想よりも高くなってしまいました。
 幹事の仕事としては土曜日に餞別を買っておいたので、最後にアシスタントの子から渡してもらいました。品物はベトナム北部の風景画だったのですが、どうだったかなあ。ベトナムにいた記念になるようなもので安っぽくないものとして刺繍画とかも見てみたのですが、最初に入った店に壁に飾ってあった絵が魅力的だったので、結局その絵に決めました。絵とかはその人の好みがあるので、他のものにすればよかったかなと思ったのですが、まあいいか。はっきりものをいう人なので、絵を見た瞬間、えーっ(シャレでなく)、と、がっかりした声を出さなかったようだったので、よしとします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月21日 (金)

2月も半ば

 ソチオリンピックはそろそろ終わりのようです。先週はずっとフィールドだったので、沙羅ちゃんの失敗も、羽生君の金メダルもネットで知るだけでした。

 そんなことより、日本は大雪だったらしく、年老いた両親が心配で電話をしたら、実家でも120年ぶりの大雪で1mも積もったそうです。
 仕事の方は、今週は投稿した蚊の論文が戻ってきて、季節消長のグラフで、ピークの時とそれ以外の時とでどの程度統計的にも違っているのか知りたい、というレフリーからのコメントに返答するため、忘却の彼方にいっていた資料を呼びさまして、データ解析に明けていました。それ以外の時間は蚊の飼育の再開にあてました。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月16日 (日)

日本とは違うマダニの発生消長パターン

Yen サパから早朝ハノイに着いて、私の家で少し休んだ後で11時にNIHEを出発して空港へ向かいました。次の目的地はドンナイ省のカッティエン。去年の10月に同僚のHさんらと行った場所です。

 ダラットで一泊した後、車に揺られること4時間でようやく到着。川をボートで渡ってゲストハウスにチェックインした後で、さっそく車をチャーターして、前回の採集場所へ連れて行ってもらいました。写真はフラッギングをした後で布についたマダニを取っている元室長のYさん。 

Cat_tien_3

 今回は幼虫がたくさん取れました。次に多かったのが若虫でした。おそらく、11月か12月に乾季に入った直後に雌が産卵して、幼虫が孵化し、早く吸血できた幼虫はすでに若虫になっていると思われます。
 日本では雌が初夏に産卵して、幼虫は夏に出てくるものなのですが、ベトナムの熱帯雨林では違うのですね。乾季なので古い葉は枯れ落ちて林床には葉が堆積しています。雨が降らないので、葉が流れていくことはないのでしょう。林縁の道は乾いていますが、ジャングルの奥に入って行くと林床の土は湿っていました。熱帯の生物学の奥深さを垣間見た気がしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月14日 (金)

サパ二日目は山羊の金玉酒で締めくくる

Photo サパの2日目の写真です。この日は場所を変えて、まず水牛からマダニを取らせてもらいました。

 10頭以上水牛がいたのですが、我々をワクチンの注射に来た人と間違えているらしく近寄ると逃げてしまうので、牛飼いの人たちに管瓶を渡してあとで取りに来ることにしました。写真はマダニがいないか探してもらっているところ。
Photo_2 牛や水牛から取ってばかりだとマダニの種が偏ってしまうので、野外で旗振りもしたのですが、取れません。山で取らせてもらおうとしたのですが、少し前に山火事があったらしく、外国人は立入禁止だそうです。それでも山のすぐ近くまで行かせてもらうことになりました。
 歩くと1時間はかかる山道を普通のバイクでは信じられんスピードで突っ走り、10分で山の麓の小学校に連れて行ってもらいました。写真は小学校から見下ろした眺めです。
H ここで30分ほど旗振りをしたのですが、全く取れませんでした。写真は山の斜面で旗を振るHさん。山羊と水牛の糞はたくさんあったのですが、マダニは全く取れず。ベトナムのマダニはよくわからん。
 2時に現地を出発して、5時近くにラオカイに到着しました。ラオカイの有力者の方と挨拶がてら夕食を一緒にとって、そこでしこたまウォッカと山羊の金玉酒を飲まされて今度は寝台列車でハノイへ戻りました。
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月13日 (木)

寒いサパでのマダニ調査

3 日本から来たHさん、Sさんと一緒にサパにマダニの採集に来ています。写真はラオカイ行きの列車の様子。リクライニングシートという話ですがキツキツで、国際線のエコノミーシートはこれに比べたらよっぽど快適です。しかも寝ている間に賭けトランプを前の席でやっていたり、1時間毎に、着いたよ~、着いたよー、の駅員の声で起こされました。

Photo まず、少数民族の住んでいる地域に行って、牛、豚、水牛、犬に寄生している寄生虫を取りました。それにしても子供が多いです。そして笑顔がいい。この子はガチョウをおもちゃ代わりにして遊んでいました。
 犬に付いているマダニを少数民族の人たちに探してもらいました。
 今日の収穫は牛に寄生していたマダニが数匹だけでした。
Photo_2
Photo_3  それにしても今日は寒かった。吐く息が白くなっていました。温度計は4度になっていたそうですが、本当ですかね。みんな裸足で寒くないのかな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月10日 (月)

大雪の日本とゆっくりした日曜日のベトナム

 二週間前に日本に帰る前には朝起きるとすぐにユニクロのフリーズとジャージを寝巻の上から着て、さらに靴下をはいていたのですが、今朝のハノイは暖かくて、そんな防寒対策は要らずポカポカ陽気でした。午前中はゆっくりFM長崎を聞きながら、メールやお気に入りのブログをチェックして、コーヒーを飲んで10時過ぎにNIHEに行きました。普段だったら蚊の世話や観察があるのですが、テト休暇中は最低限度の維持に止めておいてもらったので、今日はほとんどすることがありません。いくつか気になった文献があったので、それを印刷しただけでした。

 午後にはまたラジオを聞いてまったりして、3時過ぎにタッチラグビーに行ったのですが、朝からだんだん気温が下がっているようで、バイクを運転していて朝起きた時よりもぐっと寒く感じました。関東では大雪だったらしいですね。実家でまた親が雪かきをしていて転んでもしないかと電話をかけると、50cmくらい積もったようです。幸い、近所の人が実家の周りの雪かきを手伝ってくれたそうで、両親とも怪我などはなかったようです。

 ニュースで東京は大雪で100人以上が転んで怪我とかいうのを見ると、軟弱だなあ、とか思っていたのですが、80歳を越えた親が北関東でも何年かに一度の大雪に見舞われたとなると、心配になります。いずれにせよ、金曜日のうちに長崎に戻っていて正解でした。
 実際は論文書きがたまっているのですが、今週は火曜日の夜から日曜日まで日本から来た人たちとぶっ通しでフィールドへ行ってマダニを採集するので、今日は少しゆっくりできてよかったです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月 7日 (金)

薬の副作用

 明日、福岡からベトナム行きの飛行機に乗るために群馬から長崎へ戻ってきました。天気予報を見ると、明日の東京は大雪のようですね。たまたま福岡発のハノイ直行便は週2便しかなかったので、今日長崎に戻ったのですが、ラッキーでした。明日だったら、電車も羽田からの飛行機も動かなかったかもしれません。

 終わってみるとテトにあわせた健康管理休暇もあっという間でした。父親を歯医者に送り迎えをして、母親が会合などに行っている間に父と留守番をして、夕方犬の散歩をして一週間が終わった感じでした。父親の惚けは正月に比べていくらかましになりましたが、いまだに抗がん剤の副作用でもどしたりします。そうすると警戒するのか、あまり食べなくなってしまいます。
 もとはといえば、大学病院での新薬の臨床試験に応じたのが吐いたり、頭を打ってボケたりした原因です。母親が後で医者のいとこから聞いた話だと、普通80歳を過ぎた人を臨床試験には使わないそうです。そして前立腺がんが原因で死ぬ人はいないらしい。タダほど高いものはありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月 5日 (水)

伊香保温泉金太夫

Photo_2 昨日、雪が降ったため、家のまわりは雪が積もっています。隣の家と田んぼはこんな感じです。

Photo_4 父親のボケ防止には外に出るのが一番と母親が言い出して、近くの温泉旅館に一泊してきました。
 伊香保温泉の金太夫という、明治の文豪も宿泊した旅館でしたが、母親のツテとコネで、皇族が泊った最上級の部屋に泊まらせていただきました。夕飯はバイキングだったのですが、うちだけ料理長から舟盛りが差し出されたりして、すっかり堪能させてもらいました。写真は部屋の内部の様子です。父親が窓から外を眺めています。
 草津や万座に比べると伊香保温泉というのは知名度が今ひとつですが、温泉の質もよく、名物の石段や文豪ゆかりの場所も多いので、群馬に来たついでに一度足を運んでみても損はありません。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

六本木ヒルズでラファエル前派展

Photo 土曜日から群馬の実家に帰省しています。羽田から上野に向かい途中で、六本木ヒルズに寄りました。

 なぜ、こんな不似合いな場所に立ち寄ったのかというと、森美術館でラファエル前派の展示会をやっていたので、それを見に行ったのでした。
 美しい女性の肖像画が多かったのですが、絵の印象とは正反対にモデルになった女性を奥さんにしたり、不倫関係になったりと絵の説明に書かれていた、ドロドロした人間模様はまるで週刊誌を読んでいるようでした。
 ついでに同じ建物でアンディ・ウォーホール展をやっていてので、そちらも鑑賞したのですが、よくわからんかったです。ぜんぜん違うのでしょうが、志茂田景樹を思い出しました。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年1月 | トップページ | 2014年3月 »