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2014年8月

2014年8月30日 (土)

ベトナムの連休前に

 現ボスから気象観測機をNIHEに設置せよ、とのお達しがあったので、1ヶ月にわたって事務手続きの書類を準備したり、拠点長に書類を頼んだり、長崎大とNIHEとの合同会議で説明したりしてきました。

 ようやく許可もおりたので、いざ、箱から取り出して組み立てようと思ったら、ワイヤーだのペグだのが必要でした。ホームセンターで購入してくださいと取説に書かれていて、そんなもん、あるかー、と1回こけました。
 しょうがないから、パソコンにコントローラーを設定しようと思ったら、今どきXP対応で、しかもUSB対応でなくてパソコンにピンが付いている方のケーブル対応だったので、ここでまたこけました。
 今日の気象観測機についての作業は電池の充電だけで終わりました。機械関係に通じているC君に、悪いんだけどペグとかケーブルを休日明けに揃えてくれない、と頼んでおきました。
 明日からベトナムは4連休です。スタッフには田舎に帰る人もいれば、シンガポールに旅行に行く人もいて、日本人は帰る家がある人達は日本に帰国します。これまでの経験からいって、皆がいなくなる時に何か問題が起きることがあったので、連休中はハノイにいることにしていました。論文書きもあるし。
 昨日、アシスタントのHさんがパートなのに毎週土日出勤していて、労働基準からみてよくない、という日本の事務からのお達しがありました。実験前に500匹前後の蚊の蛹を準備するとなったら、その前の週の土日は蚊の世話をしなければなりません。土日の作業を我々が手伝うことで労働時間を減らすようにしようとNIHE側に申し出たのですが、彼女自身は今の仕事が好きで、責任感も強い、なにより月々の少ない給料への補充がカットされるので、NIHE側からの回答は今のところありません。とりあえず、明日は昼間にNIHE専属のスタッフでHさんと一緒に蚊の世話をしている方が来ることになっています。その人も土日は社会人入学した大学に通っています。
 蚊の世話をする時間があったら早く論文を書いて下さい、という現ボスからのサポートで雇ったHさんなのですが、私にとっても彼女にとっても理不尽な気がします。

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2014年8月29日 (金)

デング熱日本に定着か

 マダニ調査から帰ってきたら、日本では海外渡航のない人からデング熱患者が出ているようですね。海外旅行者の持ち帰りは幾度も会ったのですが、たぶん、それらの人から蚊に感染して、さらにその蚊から別の人に感染することが現実に起こっているようです。

 ニュース9では、見たことのある感染研の人が公園で捕虫網を振り、長崎にいる所長がコメントをしていました。
Photo うちの近くの一応スーパーにいた猫。たまにはこんなほっこりする写真もいいでしょ。前を通っても、カメラを近づけても、全く目を覚ましませんでした。

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2014年8月28日 (木)

夏のCat Tien自然公園

Cat_tien マダニの調査でまたCat Tien自然公園に行ってきました。今回は、いつものダラット経由ではなく、ホーチミンから行きました。長崎大に留学しているTさんが調査のためにパスツール研究所に戻っているのですが、その調査で使用するトラップを運搬するのと、少し調査の相談をするためです。

 Cat Tienではクワガタムシが夜にお出迎えしてくれました。かなり大きくて日本に持って帰ったらいくらで売れるのだろうと考えてしまいました。
Cat_tien_20148 マダニ調査は予想通りの結果でした。やはり日本とは季節消長がかなり違います。そして大部分の個体が1年以内に成虫になっている感じです。今の時期はまだ雨季の真っ盛りで、森林内の道はつるつる、ぬるぬるしています。ヤマビルも少しですが出ていました。写真はマダニを採集しているスタッフです。公園のスタッフもガイドの傍らマダニを取ってくれました。
 

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2014年8月24日 (日)

出てこない長靴

 来週からまたCat Tien自然公園に行ってマダニの採集をしてきます。金曜日に用意をしていたら、いつも長靴をおいてある場所に長靴がありません。前にも同じことがあって、その時はエントの人が私用で使っていたようでした。今日もスタッフに聞いてみたのですが、出てきません。実験室には鍵をかってあるので、エントの誰かが持ちだしたはずなのですが、わかりません。

 ベトナムにももちろん長靴はあるのですが、ゴムの質が悪く、色もあまり種類がありません。日本製がいいのはわかるけど、仕事の邪魔はしないで欲しい。
 ベトナム以外の東南アジアでもマダニの調査を計画しています。来週長崎大のグループがラオスに調査に行くので、今日の夕食会に同席させてもらってカウンターパートのなりそうな人を見つけてきてもらえないか、頼んでおきました。来年くらいに行ってみたいです。

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2014年8月20日 (水)

時間のかかる論文

 蚊の休眠の論文の初稿を書いて共著者の外国人に送ったものの、私の英語が拙くてイントロからマテメソを見終わった時点で疲れてしまったので、もう見たくないと突き返されたのは一月ほど前のことでした。自分はあなたより若いのに先輩研究者のようにこんなに苦労しているのだから、これ以上のことはラストオーサーになっている前のボスに相談してくれ、というコメントが最後にありました。

 どうしたものかと考えて、結局私の考えた答えは、彼にもう一度結果以降も見てもらえるか頼んでみて、もしそれがだめだった場合は、彼に任せた解析ではなくて基本的な解析をやってから論文を書き直してみて、その後でその人のやった解析や作文(=英文)を削除して(もう一度修正前の原稿に戻して)、一つランクの低い雑誌に投稿するということでした。前のボスもそれで同意してくれました。
 英語の論文を書く能力が低いと思われても、あまり深く考えて計画した研究でなかったし、ましてや自分の英語の能力なんてたかが知れていると開き直るしかありません。それでも、今度の論文は出す価値が高いと思っています。

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2014年8月16日 (土)

仕事のモチベーションと始末に困る人

 今週投稿した恙虫の論文は、なぜかわかりませんが、昨日の夜になって、受け付けできなかったので再投稿してください、というメールが送られてきました。実は、短報は2,000字以内にして下さい、と投稿規定にあったのですが、ちょっとくらいオーバーしてもいいんとちゃうか、と思って、2,300字だったのですが、短報として投稿しました。やっぱり、ダメなものはダメなのでしょうか。

 若い時には少しでも評価の高い雑誌に論文を載せたいという意欲だけで論文を書いていました。それが実現することは業績が上がるということに直結するわけだし、しいては就職に有利になるからと考えていました。でも、離婚して、長崎大学に就職したあたりから、それは研究をして論文を書くモチベーションとしては十分でなくなったような気がします。任期付きの仕事ではありますが、今の自分は研究職として給料をもらっている立場になれたにも関わらず、一緒に喜んだり、悲しんでくれる人がいない喪失感を拭えません。別に、別れた奥さんを忘れられないというのではありません。
 要するに、仕事のモチベーションの一つに家族を支えたい、という気持ちがあると思います。仕事=飯を食っていく、ということはいつの時代も変わらないのではないでしょうか。今の自分の家族は年寄りの父と母だけです。この人達は私に食わせてもらおうなんて全く考えていません。じゃあ、自分のモチベーションをどこにおくのか。
 千葉大学の前総長だった古在先生は最終講義の時に、自分の人生の理想のイメージとして、春先の寒い朝の日に小さな一輪の花が咲くのを見守って死んでいく年老いた人間でありたい、という彼のメッセージに対して絵心のある教え子が描いたスライドを我々に見せてくれました。一輪の花とは学生とも、研究テーマとも受け取れます。ロマンチストだな、カッコつけてんな、とかあの時は思いましたが、今は少し共感しています。
 衛生害虫が病気を媒介する仕組みを解き明かすというのは私の研究している分野では王道のテーマであり、予算も人材も集まりますが、蚊やダニなんていなくなってしまえばいい、としか思わない人達に、確かに人に被害を及ぼす程に増えたら困りますが、そうでない一面もありまっせー、とか、病気を媒介しているだけとはちゃいまっせー、とかわかってもらえる仕事をしていくのが私の使命かな、とこの頃思うようになっています。
 西郷隆盛の言葉に、お金も地位もいらないという人は始末に困る人で、始末に困る人でないと世の大事は為さざるなり、というのがありました。大概の人はお金や出世がモチベーションとなって働きます。世の大事ではないにせよ、ちっぽけな虫けらの、これまで誰も気づかなかった一面を見せるようになるには始末に困る人でないと無理だと思っています。まあ、世間からは変人とも言われてもしょうがないでしょうけど。

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2014年8月12日 (火)

少しずつ増えてきたレフリーの依頼

 今、恙虫の論文を一報、英文校閲に出しています。あとは蚊に関する初稿を書いて共著者に見せました。しかし、その方は外国人なのですが、私の英語を直すのが途中で嫌になってしまったそうで、イントロとマテメソを見終わった段階で突き返されました。えー、そんなんでいいのか、とも最初は思いましたが、こちらも少し頭を冷やしてから彼に返答することにしました。

 自分の論文の他に、ある蚊の論文のレフリーを一つ頼まれています。まだコメントを書いていないのですが、今日また別の雑誌から一報頼まれました。今年に入ってすでに3報目になります。前は年に一報あるかないかでしたが、今年に入って増えた感じがします。自分には学生がいないのでレフリーになるのはそれほど負担にはなっていませんが、もし自分にも学生がついて、このような仕事が学生の卒論や修論の時期と重なったら大変でしょうね。そうなったら飲み会の付き合いや運動は後回しになるでしょう。

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2014年8月 8日 (金)

ポスドクの加入

 今週から来年の3月まで熱研の病害動物出身の人がポスドクとしてフレラボで働くことになりました。メインの仕事は他の人のサンプルからデングウイルスを抽出したり、殺虫剤抵抗性遺伝子の解析をすることなのですが、私の感染実験も手伝ってもらうことになりそうです。一年以上前からポスドクを付けるという話はボスからあったのですが、予算の関係で立ち消えになっていました。予定より4ヶ月遅れて、しかも私との共同作業がメインではないのですが、それでも新しい人が来てくれるというのはありがたいです。熱研の研究室の話や仕事の具体的な話ができるのはいいものです。

 

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2014年8月 3日 (日)

また実験室のエアコンのトラブル

 一昨日に毎週同じパターンの週末を過ごしていると書きましたが、殺虫剤試験の判定が午後だったので、午前中に実験室のエアコンが正常に運転しているのを確かめてから出かけました。

 前からワイングラスを買いたかったので、ロンビエン区にある琉球ガラスの工房に行ってみました。しかし、残念ながらしばらくは公開しないと、入口のところで言われました。
 仕方がないので、そのまま西湖の方へ行ってみました。まず、タンロンホテルのプールで1時間ほど泳いで、その後日本人の経営する近くのカフェで抹茶金時のかき氷を食べてまったりしました。
 バイクで西湖周辺のパン屋を物色してから、一軒のワインショップで気に入ったワイングラスを買いました。 若い時はおいしければ形にはこだわらなかったのですが、年のせいでしょうか、同じ飲むならば気に入ったグラスで飲んだ方がもっとうまいと思うようになりました。
 午後にNIHEに行ってみると、先週の配管工事が終わっていなかったようで、工事の続きをやっていました。案の定、エアコンは止まっていました。止まったばかりなのか部屋の中はひんやりしていました。結局、夜の合気道の稽古の後に再び立ち寄って見たのですが、工事は終わっていないようで、エアコンも止まったままでした。
 今朝、NIHEに行くと、前回とは別の恒温器が故障して、38度になっていました。今度はストックしてあった全系統の蚊の卵が犠牲者でした。とりあえずエアコンの入る自分のオフィスに移しました。いくらか生き残っていてくれるといいのですが。明日、日ごろ世話をしていてくれるHさんと蚊の生存を確かめてみますが、機械が原因のトラブルが続いて心が折れそうです。

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2014年8月 2日 (土)

マメな男

 フレラボ秘書のTさんの旦那さんは毎日彼女をバイクでNIHEに送りに来て、お昼休みになると迎えに来て一緒にお昼を食べて、また送り届け、5時過ぎになると子供を連れて迎えに来ます。結婚前から毎日NIHEへの送り迎えをしていたので、いつも本当にすごいなあ、と感心します。

 私が北大の大学生だった時に卒論の実験材料を飼育していた実験生物センターの秘書の女の子に彼氏がいたのですが、いつもその子の迎えに来ていました。うちわでの飲み会や教官も交えた飲み会の時にも無理やり迎えに来るので、センターの人たちは他の女の子も含めてブンブンと呼んでいました。当時、森高千里のハエ男の歌が流行っていたので、私がしつこいハエ男だ、と言ったら、翌日からアダ名はブンブンに変わっていました。
 でも、Tさんの旦那の場合、そういうしつこさというか、女々しさは感じません。時にはTさんが怖くて続けているのではないかと思えて、勝手に同情したりします。
 今週も一週間は早かったです。毎朝、8時45分頃にNIHEに着いて、今は汗をぬぐってからメールを見ながらインスタントコーヒーを飲んで、実験か、そうでないときは論文書きに関連したことをします。お昼の後には少し昼寝をして、また仕事、途中4時にコーヒーをまた飲みます。実験が予定通り終われば5時半から6時の間に新聞を見て、合気道に行くかNIHE構内をジョギング。土曜日の午前中はNIHEで少し作業をして、その後バイクでコーヒー豆を買いに行って、そのままスーパーと露天で食料を買ってお昼です。午後は少しまったりして、夕方から合気道。日曜の午前は少しゆっくりして、午後はFMラジオを聞いてから、タッチラグビーに行って、たいてい飲み会に突入して週末が終わります。
 淡々とした一週間です。でも、私はこのペースが性に合っているようです。あとで振り返ると着実に仕事は片付いています。
 今日、同僚の人とコーヒーを飲んでいた時に、私の生活がマメですね、と言われたのですが、最初は何のことだかわかりませんでした。
 コーヒーだからマメと言われたのか。

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