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2017年9月

2017年9月30日 (土)

科研費の申請書書きで感じたこと

 今年も科研費の申請書書きの時期になりました。今までは、提出前の申請書の見直しを匿名の教授方が行なってくれたのですが、今年からは匿名と言いながらも結局それぞれ専門分野の教授がチェックを入れるわけだから、申請者本人が科研費取得の経験のある方に校正をしてもらってから提出することになりました。

 今日は所内の締切日でした。所内の最終的な締切日は2週間後となっているのですが、それは大学として事務方が申請書類を取りまとめるのに、申請書の本当の締切である11月第1週の金曜日までに間に合わせるために、最低3週間は必要なのだ、と邪推しています。
 それは自分のように締切りギリギリまで書けない人が大学教員には多いからかもしれません。もしかしたら、小説家や漫画家とその原稿を催促する編集者と似た状況かもしれないと思います。
 結論から言うと、今日の締切には間に合いませんでした。ちょっと行き詰ってしまって、昨日、修士の時の友達にメールでアイデアを伝えてみたのですが、ダメ出しされました。普段から申請書書きについて思いを巡らせて、共同研究者になってもらいたい人には早くから連絡をとるようでないと通らないと思いました。そうでなくて通るほど甘い世界ではありません。
 もう少し粘って完成度を高めてから、今の上司に草稿を見てもらおうと思います。

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2017年9月28日 (木)

マダニの短報とレフリーの対応

 10年ほど前に書きかけてそのままになっていたマダニの短報を少し前に日本の雑誌に投稿しました。今日、その校正が送られてきました。

 二人のレフリーとも私の論文は一種の症例報告なのだからその書式にのっとるようにとの指示がありました。それ以外の点では、一人は大まかに、もう一人はしっかりと論文を読み込んで指摘をしていたので、前向きなレフリーのコメントを主に参考にして原稿を修正しました。もちろんもう一人のレフリーのコメントにもきちんと返答しました。
 原稿を修正して返送してからしばらく経った頃、原稿が戻ってきました。丁寧に読んでいたであろうレフリーからはアブストの英語に対して少し修正するように指摘があっただけで、もうその指示の通りに修正すれば通る感じでした。
 びっくりしたのはもう一人のレフリーの対応でした。そのレフリーからのコメントでは、短い原稿なので異例ながら本人が書き直す、という前置きとともに、私の原稿を元にレフリーが自分の言葉で書いた直した原稿が添えられていました。日本語の「てにをは」をはじめとして内容にあまり関連のない部分については指示通りに訂正したのですが、考察の最後の方に、未発表データを加えたそのレフリーの考察が付け加わっていたので、それだけは容認できないとして、送り返しました。
 それから1ヶ月経っても編集部から連絡がなかったので、そろそろどうなりましたかと探りを入れてみようと思っていたら、論文をアクセプトしたというメールが届きました。ちなみに日付は私が返送した翌日になっていました。
 本来なら校正では印刷時の誤植以外は修正を受け入れてもらえないようですが、改めて読み返してみて、このレフリーの指摘した通りに直した日本語がどうにも気に入らなかったので、訂正して返送しました。
 レフリーは匿名が基本ですが、狭い業界ですからだいたい誰なのかは察しがつきます。以前にはあるレフリーから思慮の足りない著者呼ばわりされたこともあり、あまりいい思い出のない雑誌です。
 

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2017年9月21日 (木)

勇気修道館0001番

 今週からいつも通りの日常です。

 今日は夕方から合気道の稽古でした。稽古用のマットを敷いていると、袴をはいた丸坊主のどう見ても日本人の方が入って来ました。私より年配ですが、なんとなく恐そうでした。
 いよいよ稽古が始まると、いつも指導をするManさんに代わって彼が師範を勤めました。キビキビと準備運動をして、柔軟体操もして、女座りもするのかと思ったら即座に足を伸ばしたので、あー、この人もそれなりに体が硬いのかと少し気持ちに余裕が持てました。
 一教から三教まで行い、その後投げ技と呼吸法と一通りの実技を行いました。でも、英語と日本語で指導してもらえたので、わかりやすくてよかったです。
 いつもの倍の人が稽古に来ていて、最後の方は見学者も来ていました。
 聞くところによると、彼は修道館の会員番号が1番だとか。
 稽古の後の飲み会でお話ししたところ、勇気修道館ができた時の最初のメンバーで、今の師範代を務めているManさん、Vanさん、Twanさん達と一緒に堀脇先生に合気道を習ったのだそうです。それはもう15年以上も前のことで、今回は彼が手がけたプロジェクトのその後の様子を見たくてBa Viに行って来たのだそうです。当時はJICA関連の獣医さんだったそうです。
 合気道は足さばきが重要で、普段稽古が終わって家に帰ってからイメージトレーニングをすることと、何より続けることが大事ですよ、と励まされました。
 

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2017年9月15日 (金)

蚊の調査の補助

 最近はFacebookにアップすることが多いので、 久々のブログです。

Imgp0127low  日本から蚊の採集に来ていた人達を今週はずっとサポートしました。科研の申請書書きがあったのですが、日がな一日机に向かっていてもいいアイデアが浮かぶはずもないですし、フィールド調査はここのところご無沙汰だったので、ちょうどよかったかもしれません。
 写真の白衣を着た保健婦と捕虫網を持っている人以外は地元のボランティアの人たち。今年はハノイでデング熱が大流行しているので、デング熱患者の多い場所では人々の意識が高いせいか、こんなにも案内の人が集まりました(こんなにいらないっちゅうに)
Imgp0134low  いくつかの調査地は私が5年程前まで蚊を採集した場所でしたが、新しい道路ができたり、そのために建物が壊されたりして街の景観がすっかり変わっていました。
 バービー山というハノイから60kmほど離れば場所にも行ったのですが、ここもすっかり整備されていました。 
 

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2017年9月 1日 (金)

サッカー日本代表、ロシアW杯出場決定

 昨日問題となった感染実験のトラブルですが、今日点検を行なったところ実験に供試した(これは農学系昆虫学での用語です)ウイルスに原因があることがわかりました。非常に濃度が低いか、存在しない可能性が考えられます。念のため、抽出キットと私の手技を点検するためのサンプルはポジティブでしたが、実験に使用した後で保存しておいたウイルスの培養液を検査してみたら非常に低い値となりました。そのせいもあって、感染後にウイルスが検出されやすい状態の蚊を調べてみてもネガティブでした。 

 サッカー日本代表がW杯出場の正念場を迎えていた時に、私は家に帰ってテレビ観戦もせずに、実験室で明日検査する培養液からのRNA抽出を行いました。全部で60サンプルだと最初は思っていたのですが、後で50サンプルでいいとわかったものの60サンプル分の試薬を用意したので2日前からやりかけだった蚊の頭部のRNAを9サンプル分行いました。
 私が本業に精を出さずにいると日本はあまりいい試合結果とならないのですが、案の定、今日W杯出場をオーストラリアに初めて勝って決めてくれました。
 サッカーを愛する人たちにとってはめでたし、めでたし。でも、私の実験はどうなることやら。

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