書籍・雑誌

2017年3月17日 (金)

E.O.ウィルソンの「創造」

 最近、E.O.ウィルソンの「創造」という本を読んでいます。先週、トイホア出張の折に、教科書を持っていくには重いし、生物哲学の堅い本を読みたいような読みたくないような感じだったので、手にとってパラパラと数ページをめくってみたら読みやすそうだったので、持って行きました。

 どちらかというと彼の後半のテーマである生物多様性や生物哲学、教育に対する考え方などが書かれていて参考になる本でした。ただ、翻訳はもう少し砕けてというか、訳者はよく勉強されているのですが、日本語としてもう少しこなれていた方が読みやすいです。

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2016年3月27日 (日)

戦争の本

 最近読んで面白かった本は、百田尚樹の「永遠のゼロ」でした。文庫本の背表紙に、読んだら必ず家族に会いたくなる、と書かれていました。うん、女性はもしかしたら違う観点で感じるのかもしれませんが、個人的には男として確かにこうありたいという理想像を描いた小説だと思いました。

 仕事を愛し、家族を愛し、地域を愛す、だったかも。傲らず(偉ぶらず)、人種や年齢で人を区別しない。それが、いつでもどこでも生きていく基本だと思う。

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2015年4月 2日 (木)

Hさんへのプレゼント

 今日は私のアシスタントのHさんの送別会。昼休みにフエ通りに最近できたフエ料理店に行ってきました。

 彼女が私のもとで働いたのは13ヶ月でしたが、彼女のお陰で殺虫試験と感染実験がまわるようになって、年度内に終わらせることができました。今年度からは蚊に関するプロジェクトは野外試験だけになるので、残念ながら彼女を雇うことはできなくなりました。
 今日、科研の審査結果が発表されましたが、今回もだめでした。私の科研費からHさんを再び雇うことも考えたりしましたが、それも夢と消えました。
 Hさんは写真を撮るのが趣味で、実際彼女が撮影した写真を私のような素人が見てもセンスがある気がします。それでHさんには今回日本に一時帰国した時に以下の写真集を買ってきました。

世界でいちばん美しい街、愛らしい村 世界の写真家たちによる美の風景

 
 最初は日本の古典写真、たとえば土門拳の筑豊の子供達とかを考えたのですが、彼女の撮ったサパの風景を見たりしていたら、こちらの写真集のほうがいいような気がしてきました。
 結果は、大正解。
 とても喜んでくれて、こちらも嬉しくなりました。最後に再びお店の前で二人で写真を撮って別れました。

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2011年8月13日 (土)

1Q84

 先週から村上春樹の「1Q84」をY教授に借りて読んでいます。実はもっと前に私が彼にジャレッド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」を貸して、代わりに1Q84を借りたのですが、Y教授の方はすぐに読んでしまいました。私は、単行本3冊はかなりがさばるので、一時帰国の時も中国の時も持たずに旅行しました。それで、中国から戻ってから読み始めたのですが、今、はまっています。

 特に2巻目のあたりが物語のクライマックスで自分としては引き込まれました。オウム真理教を彷彿させる宗教団体が出てきて、物語がますます面白くなっていきました。今週は風邪をひいていたのですが、夕食を取るとさっさとベットに入って、眠くなるまで読んでいました。今は3巻目の半分くらいを読んでいるところです。

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2008年7月 8日 (火)

Oさんからの献本と近藤紘一

 今日日本から送られた本がどきました。共同研究者であり、友人でもある、千葉県立中央博物館のOさんが、この本の原稿にコメントをしたお礼にとわざわざベトナムまで送ってくれました。ありがとうございます!

 Oさんは大型哺乳類の専門家で、三十年以上もの長期間のカモシカのデータを取り続け、それを一流国際誌にpublishするだけでなく、すでに何冊か本にもまとめています。自分も見習わなくてはと思います。房総では毎年三月のカウント調査の際に研究の話やらおバカな話をいつもしていましたが、先日このブログに書いたようにステーションもなくなるのでそれもできなくなるのは淋しい限りです。前に一度彼のもう一つのフィールドである下北半島に誘われたのですが、大事な時だったため機会を逃しました。

 ベトナムに赴任した当初にOさんからメールをいただいたのですが、彼にとってベトナムというと真っ先に思い浮かべるのは近藤紘一だそうです。最初の妻と死に別れてからベトナム人女性と再婚して、現地の人たちの住む地域で生活しながらサイゴン陥落を記録した新聞記者です。

 ハノイ市内の日本料理屋「紀伊」の入り口の本棚から二週間ほど前に借りてきた、近藤紘一の「サイゴンの一番長い日」を昨日から読み始めています。近藤は最初の妻とパリに留学した際、自分がフランス語の勉強に取り組むために奥さんに雑用を一切任せきりにした結果、妻を病気に追いやったことに対してすごく自責の念を感じたていたようです。それが行間から伝わってきました。

 「人間とは他愛なく、そして恐ろしく罪深いものだ、というような気がした。」

 我が身を振り返ると、今自分がベトナムにいること、研究の仕事を続けていられることは別れた妻のおかげです。感謝しています。そして、数年分の彼女の人生を犠牲にしたことに対して忸怩たる思いがあります。

 一方で、昼間、ベトナム人の若い女の子と楽しくお話している自分もいます。そんな時は思いっきり目尻が下がって、鼻の下が伸びているでしょう。

 どちらもありのままの自分です。

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